PEOPLE & ACTIVITIES

DAY03

知るほど、知りたい。

2026.09.15

みなさん、こんにちは。PRISM+編集部です。

今回お話を聞いたのは、ディスプレイ事業部大阪店で営業を担当するMさん。
小学1年生から高校3年生まで、12年間バトントワリングを続けていました。

社内報の記事アンケートでその話を知り、「12年も続けていたなら、きっと何か特別な理由があるはず」と、もう少し詳しく聞いてみることにしました。

ところが――

「熱い思いがあったわけではなくて、続けるのが当たり前だったので。」

Mさんは、ニコニコしながらさらり。

あれ、思っていた答えとちょっと違う……。

バトンのことをもう少し。そこに出てきた友達のこと、お母さんのことも。
話を聞いていくうちに、いつの間にか気になっていたのは、バトンよりもMさんその人でした。

◆ 「続けるのが当たり前だったので。」 ◆

バトンを始めたのは、小学1年生の頃。
同じマンション、同じ小学校に通っていた友達に誘われ、一緒に教室へ通い始めたそうです。

お父さんの仕事の関係で引っ越しが多く、小学3年生で最初の教室を離れることに。
その後も引っ越しのたびに教室を変え、高校では学校のバトン部へ。
小学校の時には週5日ほど練習し、大会にも出場。バトントワリングの級も最上級まで取得しました。

「すごいですね。」

話を聞きながら、私は何度この言葉を口にしたでしょう。
けれどMさんは、笑いながら「まあ、長かったので……。」とさらり。



高校では、経験者だったこともあり副キャプテンを務めました。
人前に立つことや、人と話すことが得意なのかな?と思っていたら、ここでも予想とは少し違う答えが返ってきました。

人と話すことは、実はそれほど得意ではない。

後輩に注意をしたり、部員同士で真剣に話し合ったりすることもあり、副キャプテンという役割は「辛かった」と言います。
そして、高校3年生まで続けたバトンは、大学進学を機に辞めました。
嫌いになったからではありません。

「大学では新しいことをしてみたかった。」

12年間続けたことも、そこで辞めたことも、Mさんの口から出てくると、とてもシンプルです。
聞いているこちらの方が、「もう少し何かあるのでは?」と理由を探したくなりました。

◆ 今も、友達。 ◆

小学1年生のとき、一緒にバトンを始めた友達とは、今も交流が続いています。

小学3年生で離れてからは手紙を送り合い、携帯電話を持つようになってからはSNSで。
今は、どちらかが関東や関西へ行く予定があるときと、誕生日に連絡を取るくらいだそうです。

「そのくらいの頻度がちょうど良いです。会ってない期間、話題も増えるので。」

では、長く付き合っている友達との関係で、大切にしていることは?

「気を遣いすぎないことでしょうか? あまり意識したことがないので難しいですね……。」

そう言いながら、

「ただ、素で話せる友人とは、自然と付き合いが長い気がします。」

と教えてくれました。
高校のバトン部で出会った友達とも、今も付き合いが続いています。
小学生の頃からの友達も、高校で出会った友達も、バトンを離れた今も友達との関係は自然と続いています。

◆何度も話に出てきた、お母さん ◆

バトンの話を聞いていると、お母さんの話が何度も出てきます。

引っ越し先で新しいバトン教室を探してくれたこと。
大会で着る衣装を、手縫いやミシンで作ってくれたこと。
小さい頃には、バトンを一本入れて肩から掛けるケースも作ってくれました。

最後の大会で着た衣装は、今も実家に残っています。
何度も話に出てくるお母さんは、Mさんにとってどんな存在だったのでしょう。

「いつも優しく支えてくれる存在でした。とりあえず自分がしたいようにさせてもらってたので、いつも私の考えを尊重してくれてました。」

お母さんから影響を受けている、似ていると思うところを聞くと、

「新しい環境でも割とすぐに馴染めるところだと思います。」

そして今は、実家を離れて一人暮らしをしているMさん。
大人になって、お母さんへの見方も変わったそうです。

「知らない土地で知り合いもいない中の子育ては本当に大変だったと思いますが、当時はそれがどれだけ大変なことかわかっておらず、大人になって理解しました。」

◆「すごいですね。」と言われたら ◆

取材中、私は何度も「すごいですね。」と言っていました。

12年間バトントワリングを続けたこと。
週5日も練習していたこと。
大会に出場し、級も最上級まで取得したこと。
高校では副キャプテンを務めたこと。

では、本人は「すごいね」と言われることを、どう思っているのでしょう。
取材のあと、もう一度聞いてみました。

「残念ながら才能があったわけではなく、ただ続けていただけなので褒めていただくことも恐縮なのですが……。」

でも、そのあとに続いたのは、

「続けてきたことを評価していただけるのは素直にうれしいです。やっていて良かったなと思います。」

という言葉でした。
ここでも、返ってきたのはMさんらしい答えでした。

◆バトンの、その先に ◆

12年間続けたバトンのことを、もっと知りたくて始めた取材でした。
でも、話を聞いているうちに、気になっていたのはバトンではなくなっていました。

よく笑って、よく話す。

こちらが「きっとこういう人」と思うたびに、少し違う答えが返ってくる。
そのたびに、Mさんのことがもう少し知りたくなりました。



仕事では、どんなことを考えているんだろう。
お客さまや一緒に働く人とは、どんなふうに向き合っているんだろう。
大変なときには、どんな顔で、どんな言葉を返すんだろう。

今度は、一緒に仕事をしてみたいと思いました。